2月に入り、中国地方を猛烈な寒波が襲いました。
松江・出雲でも積雪がありましたが、雪の中、たくさんの観光のお客様がいらっしゃいました。
幸いにも直ぐに気温が上がり、雪もすっかり溶け、春の陽気の日も増えてまいりました。
皆さまのお住まいの地域はいかがでしょうか。
さて、今回は「ご縁うさぎ」についてお話をしたいと思います。
出雲地方には沢山のうさぎがいます。うさぎと言っても本物ではなく、銅像です。
有名なところだと、島根県立美術館の屋外広場に、12羽の縁結びうさぎの彫刻作品があります。
その中の1羽に、触ると縁結びの願いが叶うと言ううさぎがいます。
また出雲大社内境内にも、31羽のうさぎがいます。
なぜこんなにも出雲にはうさぎがたくさんいるのでしょうか?
皆さまは【因幡の白兎伝説】をご存知でしょうか。
はるか昔、隠岐の島に住んでいた白兎は、因幡の国(現在の鳥取県東部)に行きたいと思っていました。
しかし交通手段がなく、どうしたものか…と考えた白兎は、鮫を騙して利用しようと考えました。
白兎は鮫たちに「鮫とうさぎ、どちらが数が多いか比べてみましょう。皆さん、1列に並んでください。わたしが皆さんの上を踏みながら1匹づつ数えましょう。」と言いました。
鮫は一列に並び、白兎はその上を歩き、因幡へたどりつくことができました。
白兎は因幡へつくと鮫たちに「馬鹿な鮫たち。騙されていたんだよ。」と言いました。
騙されていた鮫たちはカンカンに怒り、白兎の皮を剥いでしまいました。
白兎が痛くて痛くて浜辺で泣いていると、神様の集団がやってきました。
神様たちは白兎に、「海水をかけて風に当たると傷は治る」と言いました。
白兎は言われたとおりにすると、海水が傷にしみ、余計に痛みが増してしまいました。
その後、ひとりの神様が大荷物を持ってやってきました。
「かわいそうな白兎。真水で体を洗い、がまの穂で体をなでると良い」と言いました。
適切な処置方法を教えてもらった白兎は、みるみるうちに傷が治っていきました。
実は、先に来た神様達と、大荷物を持った神様は兄弟で、因幡の国のお姫様であるヤガミヒメに求婚に来ていたのです。
それを知った白兎は、「ヤガミヒメはあなたと結ばれることでしょう」と告げました。
白兎は神様たちがヤガミヒメの元へ着くより先に、この事を伝えました。
その後に大荷物を持った神様は無事にヤガミヒメと結ばれ、結婚することができました。
その大荷物を持った神様こそが、出雲大社におまつりされている「オオクニヌシノミコト」であります。
この神話から、うさぎは「導きの動物」「縁結びの使い」として、出雲地方にたくさんその姿を見ることができます。
もちろんうさぎの御朱印帳もありますよ。
うさぎの導きの力によって、みなさまが良い縁にめぐり合えますように…。